受付時間

8:30~11:00

診療時間

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休診日

土曜・日曜・祝日

はじめに

泌尿器科とは尿を作って体外に排泄されるまでの臓器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)と男性の生殖器(精巣、精巣上体、精管、前立腺、陰茎)に関する疾患を扱う診療科です。疾患の種類としては悪性腫瘍(がん)、排尿障害(前立腺肥大症や神経因性膀胱など)、尿路結石、感染症などがあります。

橋本市民病院泌尿器科では、泌尿器科全般の疾患に対応できる診療体制をとっています。常に患者さんに寄り添い、生活の質をできる限り損なわない治療を考えながら診療を進めていきたいと考えています。

診療内容

●排尿障害に関連する疾患

  • 男性では加齢にともなって前立腺が肥大することにより尿が出にくくなる前立腺肥大症の患者さんがたくさんいらっしゃいます。多くの場合は内服薬によりコントロール可能ですが、程度によっては外科的な手術が必要です。当科ではレーザーを用いた経尿道的核出術(HoLEP)を主体として最近の系尿道的水蒸気治療(WAVE治療)も行っています。
  • また女性の腹圧性尿失禁に対する手術(TVT-OT)や、膀胱瘤(膀胱が膣から脱出してしまう病気)に対するTVM手術や難治性過活動膀胱に対するボトックス膀胱内注入療法も積極的に行なっています。

●尿路結石症に対する治療

  • 尿路結石症に対しては、体外衝撃波による破砕術(ESWL)と細径の軟性尿管鏡とレーザーを用いた経尿道的尿管結石破砕術(TUL)が広く行われています。当科ではこれらのうち経尿道的尿管結石破砕術(TUL)を積極的に行なっています。

●泌尿器がんに対する治療:尿路から発生するがんとしては腎臓の尿を作る腎実質から発生する腎細胞がん、作られた尿を膀胱まで運ぶための腎盂や尿管から発生する腎盂尿管がん、膀胱から発生する膀胱がんがあります。また男性生殖器から発生するものとして前立腺がんと精巣がんが挙げられます。

  • 腎細胞がんに対する治療:転移のない腎細胞がんに対しては手術療法が選択されます。従来は患側の腎臓を摘出する根治的腎摘除術が治療の主体でしたが、4cm以下の腎がんではがんの部分のみを切除する部分切除術が行われるようになっており、そのほとんどがロボット支援手術(詳細は後述)で施行されています。
  • 腎盂尿管がんに対する治療:腎盂と尿管は共通する尿路上皮と言われる粘膜で裏打ちされておりそこから発生するがんが腎盂尿管がんです。腎盂あるいは尿管いずれから発生した場合でも再発を防ぐ目的で患側の腎臓と尿管を全長にわたって切除する必要があります。開腹手術の場合には上腹部から下腹部に至るまで大きな切開創が必要でしたが、腹腔鏡手術あるいはロボット支援手術(詳細は後述)では摘出した臓器を取り出すだけの切開創で済むためメリットが大きいです。
  • 膀胱がんに対する治療:膀胱がんに対しては尿道から切除鏡を挿入し膀胱内にある腫瘍を切除する経尿道的膀胱腫瘍切除術が治療の主体となります。膀胱がんは再発しやすいがんですが、膀胱内に再発しても経尿道的膀胱腫瘍切除術を繰り返し行うことで治療可能です。ただし、腫瘍が筋層を超えて浸潤しているような場合は経尿道的膀胱腫瘍切除術だけでは不十分で膀胱をすべて摘出するような膀胱全摘除術が必要となります。またさらに進行して転移を来したような場合には抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬を中心とした薬物治療が治療の主体となります。

  • 前立腺がんに対する治療:転移のない前立腺がんに対しては手術(根治的前立腺線摘除術)と放射線治療が主体となります。治療成績はほぼ同等と言われています。当科では病気の進行度や年齢、合併症の有無、患者さんの希望等を考慮し治療方針を決定するようにしています。 根治的前立腺全摘除術では治癒する確率は高いですが、合併症として術後の尿失禁と勃起不全が問題となります。従来は開腹手術が主体でしたが、前立腺が骨盤の深くに位置する臓器でありまた出血しやすい特性から難易度の高い手術でした。近年ではロボットを用いた手術(詳細は後述)により、精細な手術が可能になり術後の尿失禁や勃起不全に関しても従来より良好な成績が得られています。
    また放射線治療(外照射治療)も積極的に行なっており、良好な治療成績を治めています。
    すでに転移が認められるような前立腺がんの患者さんに対しては、転移巣に対しても効果が期待できるホルモン療法が治療の主体になります。
  • 精巣がんに対する治療:精巣がんはまれながんですが、青壮年期に多いのが特徴です。がんが精巣にとどまっている場合は片側の精巣摘出だけで完治が望めますが、転移のある場合には抗がん剤の治療が必要になります。精巣がんは抗がん剤が非常によく効くがんで適切に治療することにより、転移がある場合でも70%の患者さんで完治が望めます。

●ロボット支援手術とは?

腎細胞がんや腎盂尿管がん、前立腺がんに対する手術は従来開腹手術が主体でしたが、2000年頃より傷が小さく低侵襲な腹腔鏡手術が行われるようになってきました。さらに2012年には腹腔鏡手術がより進化したロボット支援手術が導入されました。現在では泌尿器がんに対する手術の多くがロボット支援手術で施行されています。

泌尿器科関連の臓器で悩まれている方はご相談いただければ幸いです。

主な対象疾患

  • 泌尿器科悪性腫瘍(腎がん、腎盂がん、尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣腫瘍など)
  • 排尿障害(前立腺肥大症、神経因性膀胱など)
  • 尿路結石(膀胱結石、腎結石、尿管結石など)
  • 尿路性器感染症(膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、性感染症など)
  • 小児泌尿器科(停留精巣、包茎など)
  • 性機能障害(ED、男性更年期など)
  • 女性泌尿器科(尿失禁、性器脱など)

医療関係者向け

地域の中核病院として、地元で患者さんの治療が完結するように努力を致します。今後とも宜しくお願い申し上げます。

データベース事業(NCD症例登録)への参加について

当科は、一般社団法人 National Clinical Databaseが運営する専門医制度と連携したデータベース事業に参加しています。

詳しくはこちら

医師紹介

原勲

役職

医監

専門領域

泌尿器科悪性腫瘍(腎癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌)、ロボット支援手術

所属学会(専門医等)

  • 日本泌尿器科学会(専門医・指導医)
  • 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会(泌尿器腹腔鏡技術認定医・泌尿器科ロボット支援手術プロクター)
  • 日本癌治療学会(がん治療認定医)
  • 日本内分泌外科学会(内分泌外科専門医)
  • 日本老年泌尿器科学会
  • 日本バイオセラピィ学会
  • 日本泌尿器腫瘍学会
  • 日本尿路結石症学会

平林 康男

役職

筆頭部長

専門領域

泌尿器科一般、尿路結石、尿失禁、 前立腺肥大症、下部尿路機能

所属学会(専門医等)

  • 日本泌尿器科学会(専門医・指導医)
  • 日本排尿機能学会
  • 日本性感染症学会(認定医)
  • 日本女性骨盤底機能学会
  • 日本老年泌尿器学会
  • 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会

倉本朋未

役職

部長

専門領域

泌尿器科一般

所属学会(専門医等)

  • 日本泌尿器科学会(専門医・指導医)
  • 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会(泌尿器腹腔鏡技術認定医)

和田 拓磨

役職

医員

専門領域

泌尿器科一般

所属学会(専門医等)

  • Certificate of da Vinci console surgeon(手術支援ロボット)

外来担当医表

1診 午前 予約
倉本
予約
平林
予約
和田
予約
平林
予約
倉本
2診 初診
和田
初診
倉本
初診
平林
初診
初診
平林

初診受付:(月)             08:30~11:00

            (火)~(金)  08:30~10:15

   

女性泌尿器

1診 午後 予約
平林

診察:13:30~16:30
完全予約制

男性更年期

1診 午後 予約
平林

診察:13:30~16:30
完全予約制

診療実績

一日平均 外来患者数 54.8人

一日平均 入院患者数 7.6人

入院患者数(上位5疾患)

図
  • 前立腺の悪性新生物
  • 腎結石および尿管結石
  • 膀胱の悪性新生物
  • 前立腺肥大(症)
  • 尿路系のその他の障害
手術名 2018 2019 2020 2021 2022
副腎摘除術(鏡視下) 3(3) 1(1) 4(4) 1(1) 1(1)
根治的腎摘除術(鏡視下) 1(1) 9(9) 3(3) 3(3) 5(5)
単純腎摘除術 1 0 0 1(1) 0
腎部分切除術 1(1) 1(1) 4(4) 6(5) 1(1)
腎尿管全摘膀胱部分切除術(鏡視下) 5(5) 11(11) 4(4) 4(4) 2(1)
経尿道的尿管砕石術(TUL) 72 69 84 86 81
腹腔鏡下腎孟形成術 3(2) 1(1) 0 0 0
膀胱全摘除術(開腹) 2 1 1 1 1
回腸(結腸)導管造設術 1 0 1 1 1
経尿道的膀胱腫瘍切除術 49 59 42 65 72
尿失禁手術(TVT、TOT) 9 11 3 6 3
高位精巣摘出術 3 2 1 3 1
経尿道的前立腺レーザー核出術 83 73 54 74 71
経尿道的水蒸気治療 - - - - 5
前立腺全摘除術(鏡視下) 6(6) 13(12) 15(14) 23(22) 20(20)
膀胱砕石術 12 3 7 5 5
陰嚢内小手術 7 13 8 7 2
ボツリヌストキシン膀胱壁注入療法 0 0 14 26 8
その他手術 6 22 34 30 14
264 286 279 342 293

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