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臨床検査

はじめに

臨床検査とはいろんな機器を用いて、体の形態及び機能の変化を捉えることで、大きく二つに分かれます。一つは、身体から直接情報を得る検査を生理機能検査と言い、もう一つは血液や尿、便など体から得られた材料を検査するものを検体検査と言います。

臨床検査科ではこれらの検査に臨床検査技師が従事し、得られた情報を的確かつ迅速に医師に報告することを目標にしています。当院では電子カルテを駆使し、医師の依頼から検査結果の報告時間を最短にすることを目指し、外来患者さんについては診察前検査に対応することで、診断や治療効果の確認がすばやくでき、来院回数を抑えることで負担の軽減に、また、入院患者さんでは医師の回診までに当日の結果を報告することで治療方針の決定に貢献するものとなります。また、チーム医療の一員として糖尿病指導での血糖自己測定指導や栄養サポートチーム、院内感染対策チームに積極的に参加しています。

以上のように、臨床検査科は病院機能の重要な役割を担っています。今後、高度医療のニーズに応じた検査が提供できるよう努力しています。

主な業務内容

生理機能検査

生理検査室

生理機能検査とは、患者さんに直接接して行う検査です。
当院では、超音波検査・脳波検査・心電図検査・呼吸機能検査・血圧脈波検査を行っています。

生理検査室における感染対策

対面での検査が多いため、感染対策のためにスタッフはフェイスガードもしくはマスクを着用しております。各部屋に1台、空気清浄機を設置しています。患者さんにもマスクの着用をお願いしております。

超音波検査(エコー検査)

超音波とは人間の耳では聞こえない高周波数の音のことです。
この超音波を用いて臓器等の観察をする検査です。
超音波が臓器まで到達しやすいように、暖めたゼリーを体に塗り検査を行います。
検査時間は20分程度です。検査による痛みはありません。安心して繰り返し検査を受けていただけます。
当院では心臓エコー・腹部エコー・上肢動静脈エコー・下肢動静脈エコー・頸動脈エコー・乳腺エコー・頸部表在エコー・関節エコー(整形外科領域)・腎動脈エコー・体表エコーなどを行っています。また下肢静脈瘤の診断・補助のほか、紀北地域で唯一実施している下肢静脈瘤に対するラジオ波焼灼術施行前後の経過観察のエコー検査も行っています。

脳波検査

脳波検査は、頭皮上から記録する電気信号を観察することにより、脳の活動状態を知る検査です。 てんかんや脳障害、意識消失や失神の原因精査目的で検査を行っています。
ベッドに寝てもらい眼を閉じて安静にしていただくだけで、検査による痛みはありません。
検査時間は30分~60分程度です。頭皮にペースト状のクリームを付け、そこに電極を装着し電気信号を観察しています。検査中は光刺激や過呼吸負荷を行います。
0歳~5歳くらいの小さなお子様に関しては眠ってから検査を行う負荷脳波を行います。

心電図検査

心電図とは、心臓が動く時に発生する電気的活動を記録したものです。
当院では一般的な心電図検査の他に、24時間記録するホルター心電図や運動による負荷をかける心電図なども行っています。
心電図検査では、心臓が規則正しく脈を打っているかどうかがわかります。
心臓のリズムが乱れる「不整脈」とよばれる病気の発見にはとても役立つ検査です。
両腕、両下肢に電極をはさみ、胸には吸盤型の電極を装着します。検査による痛みはありません。検査時間は3分程度です。

呼吸機能検査

息を吸ったり吐いたりして肺活量などを調べ肺年齢が分かる検査です。
また麻酔が必要な手術前のスクリーニング検査としても用いられることもあります。
検査時間は5分程度です。
当院ではその他に、気管支を広げるお薬の効果を判定するために薬剤を用いた気管支可逆性検査、間質性肺炎などの疾患について詳しく調べる精密呼吸機能検査や気管支喘息に有用な呼気一酸化窒素濃度検査(FeNO検査)も行っています。

血圧脈波検査(ABI/PWV)

両腕と両足首の血圧を測定し、血管年齢や、血管の硬さ・詰まりなどの動脈硬化症がないかを調べる検査です。
検査時間は5分程度です。両腕、両下肢に血圧計のようなカフを巻き、上腕、下肢の血圧を測定していきます。

その他の検査

睡眠時無呼吸症候群の診断に有用な簡易睡眠ポリグラフィー検査や終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査を行っています。
簡易睡眠ポリグラフィー検査は装着していただく機械をお持ち帰りいただき、自宅で睡眠前に鼻に管をつけ呼吸の状態を記録して、翌日に装置をお持ちいただく検査です。
また、終夜睡眠ポリグラフィー検査は病院に1泊入院をしていただき睡眠時の脳波の記録や呼吸状態を詳しく調べる検査です。

検体検査

血液一般検査

血液成分である赤血球、白血球、血小板の数や形を調べる検査で、貧血や白血病、感染症などの診断に役立つ検査です。

凝固線溶検査

血液が固まることを凝固と言い、血液の塊が溶けることを線溶と言います。この凝固と線溶のバランスが崩れると、血管内に血栓ができたり、ケガをしても血が止まりにくくなったりします。心筋梗塞や下肢静脈血栓症、血友病などの診断に役立つ検査です。

生化学検査

血液中の血清成分には体を支えるためのタンパクやブドウ糖、酵素、生命維持に欠かせない物質などたくさん含まれていますが、臓器によってこの含まれている成分が違います。いろいろな検査項目を組み合わせることによって、疾患部位の特定や診断に役立つ検査です。

免疫血清検査

ヒトの体は細菌や異物が侵入してくる(抗原)とそれに対する抗体を作り、自分の体を守ろうとする働きがあります。その抗原や作られた抗体の量を調べます。ウイルスによる感染症や免疫異常による疾患に役立つ検査です。また体から分泌されるホルモンの検査やがんなどの疾患がわかる腫瘍マーカー検査があります。

一般検査

尿、胸水、精液、髄液などの体腔液検査があります。尿検査では糖やタンパクを調べることによって、糖尿病や腎疾患などの診断に役立つ検査です。

細菌検査

感染症(肺炎、食中毒など)が疑われる患者様から採取した検体(喀痰、尿、便、膿、血液など)から、原因となる細菌を検出する検査です。
主に顕微鏡的検査、培養・同定検査、薬剤感受性検査を行います。
その結果をもとに感染対策チーム(ICT)や抗菌薬適正支援使用チーム(AST)に参加し、感染管理や適切な抗菌薬治療に関する情報を発信しています。

  • 顕微鏡的検査

    スライドガラスに検体を薄く塗り、染色をして細菌のかたちを観察します。
    特徴的な形態を示す菌であれば、この検査で原因菌を推定し、早期抗菌薬治療に繋がることもあります。

  • 培養・同定検査

    栄養が入った寒天培地に検体を塗り、培養します。
    細菌を目に見える大きさに育ててから、原因となる菌名を決める同定検査を実施します。

  • 薬剤感受性検査

    一定濃度の薬剤と菌液を混ぜて培養し、発育の具合をみることにより、どの薬剤が効くか選定するための検査です。

輸血検査

輸血は血液中の赤血球や血小板、凝固因子等の量や機能が低下した時に、その成分を補充することを主な目的として行われます。例えば交通事故や手術で大量出血が起こったときや自分自身で血液が十分に作れなくなった場合です。このような時には輸血を行えば安心だと思いがちですが輸血には副作用という危険性もあります。これを回避するために、当院では全自動輸血検査機器を導入し、迅速・確実な検査を行い、安全な輸血が出来るように夜間も救急対応できる体制をとっています。

また、患者さんの診断と治療に貢献するために検査項目の拡充と精度の高い検査データの提供に努め、地域医療の向上を目指して、以下のことを実施しています。

  • 検査項目(診察前および緊急検査)の拡充

    臨床のニーズに応えるべく検査項目の拡充を図り、ほとんどの主要な検査項目については院内で実施し休日や時間外の緊急検査を含め24時間体制で実施しています。

  • 検査データの精度保持

    検査結果はいつ誰が行っても同じ結果が得られるように日本臨床衛生検査技師会や各診断薬メーカーの精度管理調査に参加しています。

病理検査

病理診断とは、患者さんから採取された細胞や組織を検体とし、様々な過程を経てガラス標本とし、光学顕微鏡を用いて観察、診断を行うことをいいます。病理診断は病理医が行い、治療方針の決定や治療効果の評価などに活かされます。
病理診断には、組織診断、細胞診断、病理解剖があります。

組織診断

病変の一部を採取して標本にすることを生検といい、治療方針を決めるために重要な検査です。胃や大腸、肺などの内視鏡検査の際に採取された検体や、皮膚病変を一部切り取った検体、乳腺などからの針生検検体などがあります。

また、手術で摘出された臓器、組織は病理医が病変を確認し、診断に必要な部分を切り出し標本とします。最終的な病変の診断や病変の進行度、治療に対する効果判定などの情報が提供されます。

手術前に診断が困難であった場合や病変の広がりが不明瞭である場合などに、手術中に提出された検体を凍結標本とした迅速診断も行っています。手術中の迅速診断結果は手術の方針決定に重要な判断材料となります。

細胞診断

患者さんから採取された尿、喀痰、胸腹水などの中の細胞、甲状腺や唾液腺などの病変に注射針を刺して吸引し採取された細胞、子宮頚部からブラシでこすり取って採取された細胞などを顕微鏡で観察し、良性や悪性、病変の推定を行う検査です。組織検査に比べ患者さんの負担が少ないため、繰り返し検査できる利点があります。

病理解剖

不幸にして病死された方をご遺族の承諾の元に解剖させていただき、死因の究明、病態の把握、治療の効果判定などを行います。病理解剖の結果は蓄積され、今後の治療に役立つ情報を得ることにより、医学の進歩への貢献につながります。

実績

  • 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
    2021年度 92,155 86,244 95,915 93,347 94,443 93,316 96,132 92,255 91,455 92,529 82,646 93,929
    2022年度 76,955 81,983 89,633 84,694 83,838 91,092 88,803 90,564 94,766 89,722 82,636 89,364
    臨床検査
  • 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
    2021年度 1,250 1,220 1,413 1,428 1,442 1,443 1,417 1,454 1,402 1,451 1,239 1,393
    2022年度 1,027 1,177 1,371 1,205 1,085 1,290 1,292 1,444 1,433 1,386 1,367 1,460
    臨床検査
  • 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
    2021年度 617 524 644 659 591 658 683 633 635 570 503 570
    2022年度 508 515 608 540 546 626 649 639 596 532 569 577
    臨床検査
  • 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
    2021年度 1,445 1,246 1,637 1,345 1,676 1,424 1,545 1,567 1,587 1,570 1,124 1,354
    2022年度 1,043 1,066 1,078 1,342 1,107 1,275 1,377 1,320 1,410 1,494 1,082 1,312
    臨床検査
  • 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
    2021年度 85 70 89 96 78 104 81 82 71 271 201 208
    2022年度 264 265 117 409 244 43 10 17 742 108 26 17
    臨床検査

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