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がん免疫療法の副作用に対する県内初の垣根を超えた病診薬連携の取組み『アイアイサポートチーム 発足!』

“伊都橋本医療圏免疫療法サポートチーム”発足!

『がん免疫療法の副作用に対する県内初の垣根を超えた病診薬連携の取組み』

がん治療の四番目の柱として登場した免疫療法。その中でも、最近注目されているのが、“免疫チェックポイント阻害薬”です。免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫細胞による攻撃を逃れるしくみ(ブレーキ)に働きかけ、免疫細胞の力を回復させる(ブレーキを解除する)、新しいタイプの治療薬です。いくつかのがんには非常に効果が高く、がん診療においてとても重要な薬剤です。しかし、時に全身の免疫反応(免疫関連副作用)が起こることがあります。それは、免疫チェックポイント阻害薬により免疫が強くなりすぎることによって起こる副作用です。その副作用は全身の臓器に起こり、今までの抗がん剤の副作用とは違い、時にコントロールが難しい症状が出現します。そのため、それぞれの疾患専門医の診断・治療が不可欠で、各専門医が協力しチームを作り、治療にあたる必要性があります。

今回、伊都橋本医療圏におきまして、“伊都橋本医療圏免疫療法サポートチーム”(Ito-Hashimoto ICI Support System: アイアイサポート)が立ち上がりました。このチームは橋本市民病院、和歌山県立医科大学附属病院紀北分院、医療法人南労会紀和病院を中心に、医師会並び薬剤師会と病診薬連携体制を構築し、免疫チェックポイント阻害薬の副作用の早期発見と重症化の予防を目的に3病院が垣根を超えて一枚岩となり迅速な連携で患者さんを支えていくシステムです。

このチームの発足により地域のがん患者さんは今まで以上により安心してがんの治療を受けていただくことができるようになります。免疫チェックポイント阻害薬で治療中もしくは治療歴のある患者さんは、免疫関連副作用と思われるような症状等がみられた場合には放置せずに、医師、薬剤師にご相談、連絡いただきますようお願いします。3つの医療機関(橋本市民病院、和歌山県立医科大学附属病院紀北分院、医療法人南労会紀和病院)が患者さんの症状に合わせ、病診薬連携のもと、サポートして参ります。

ミニ知識

Q.免疫って何?

A.免疫とは、細菌やウイルスなどの「異物」が体に入ってくるのを防いだり、排除したりして体を守る力のことをいいます。
この機能を担当する免疫細胞のうち「T細胞」には、がん細胞を攻撃する性質があり、免疫療法で重要な役割を担います。

Q.免疫療法って何?

A.免疫療法とは、免疫の力を利用してがんを攻撃する治療法です。
T細胞ががん細胞を攻撃する力を強める(アクセルをかける)、または、がん細胞を攻撃する力を保つ(ブレーキがかかるのを防ぐ)ことによってがん細胞を攻撃する方法です。

Q.免疫チェックポイント阻害薬とはどういうもの?

A.免疫チェックポイント阻害薬にはいくつか種類があります。
PD-1阻害薬、CTLA-4阻害剤、PD-L1阻害薬があり、薬によって使用できるがんの種類が異なります。

Q.免疫関連副作用って何?

A.免疫チェックポイント阻害薬の投与によって引き起こされる副作用のことをいいます。
免疫チェックポイント阻害薬が、がん細胞が免疫細胞にかけているブレーキを解除し、免疫細胞の攻撃力を回復させるため、免疫が強くなりすぎることによって起こります。
d皮膚、消化管、肝臓、肺、甲状腺などのホルモン産生臓器でよく見られますが、全身のどこにでも副作用が生じる可能性があり、発現時期も予測が困難なことが特徴の一つです。

連絡先

橋本市民病院 (代表)0736-37-1200
和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院 (代表)0736-22-0066
医療法人南労会紀和病院 (地域連携室)0736-33-5155

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